【名古屋税理士・公認会計士勝野会計事務所】

武士は町人より貧しいのに尊敬されている

室町末期に日本に来たフランシスコ・ザビエルが、こう書いています。

「日本人は貧しいことを恥ずかしがらない。武士は町人より貧しいのに尊敬されている。」

貧富と貴賤は無関係、という日本人独特の感覚は西洋では理解できないことのようです。

最近、欧米の歴史学者の間で江戸時代を見直す動きが高まっております。彼らの興味は、江戸の高い文化水準やエコロジーだけではありません。ヨーロッパの貴族が支配者として権力、教養、富の三つをほぼ独占して尊敬されていたのに比べ、同じく庶民から尊敬された江戸の武士は、権力と教養はほぼ独占していたものの、まるっきり金がなかったということに一様に驚いているのです。

日本には宗教教育がありません。「宗教なしでどうやって道徳教育ができるのですか?」というベルギー人の法学者に尋ねられた新渡戸稲造は、正邪善徳の判断基準が武士道にあると気づいた、といいます。

武士道はもともと鎌倉武士の戦いの掟。戦闘の現場におけるフェアプレイ精神をうたったもの。その後江戸時代には物語・浄瑠璃・歌舞伎・講談などを通じて町人や農民にまでいきわたります。武士階級の行動規範だった武士道は武士道精神となって日本人全体にいきわたった、ということです。

この武士道精神をもっとも忠実に実践していた武士を、町人や農民は無条件に尊敬していた、ということのようです。

税理士は市民から尊敬されているか?

税理士も公認会計士も弁護士も社会保険労務士も、すべて「士業」とよばれます。「士」はもちろん「サムライ」という意味です。

これらの資格は国家権力によって与えられ、該当業務を独占的に行うことができます。ですので、士業というのはいわば特権階級ということができるでしょう。特権を与えられているからこそ、余計に崇高な精神が求められるのです。倫理観とでも言うのでしょうか、士業は現代のサムライであるべきです。

いまの世の中は、お金がすべて、法律違反じゃなければなにをやってもいい、というような風潮があります。しかし、その風潮に乗っかって、

赤信号 みんなでわたれば 怖くない

というようなことを士業がやってしまったら、だれからも尊敬されなくなってしまうでしょう。

サムライ業としての「誇り」を常に持って行きたいと思います。

 

国家の品格

この記事を書いた人

勝野弘志Twitter:@victoryfield
顧問先の契約継続率が100%、事業計画作成支援で関与先の約8割が黒字決算という名古屋の会計事務所所長。

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