【名古屋税理士・公認会計士 勝野会計事務所】

「下を向いたコップ」を上に向かせる

岐阜県池田町の株式会社タニサケ。ゴキブリキャップという害虫駆除剤を製造販売する中小企業ですが、平成17年3月期の売上8億円、経常利益2.4億円という優良企業です。私の出身地ということもあり、なんとなく親近感を持っています。

誰にも知られていない商品を売るとき、最初に苦労することは、どうやったらお店においてくれるかという点。置いてもらうが為に下手に出ると、取引条件は悪くなるばかりです。

相手の知らない商品を説明するのは、下を向いたコップに水を注ぐようなものだと私は思っています。下を向いたコップに水を注いでも水をためることができないように、相手の知らない商品は、いくら効能を説明しても耳に入ってきません。大事なのは、まず、コップを上に向かせること、つまり興味を持ってもらうことです。

そんなときには、無料サンプルを置いてくることが一番です。

そのために最も効果的なのが、商品の効果を知ってもらうことなのです。ゴキブリキャップの場合、置けば1ヶ月で絶大なる効果を実感できます。そうしてコップが上に向いたところで、具体的な商談に入るのです。

その商品自体にしっかりとした商品力があれば、「この商品を置きたい」といわれるまで待つことで、商談を有利に進めることができます。価格競争に巻き込まれない戦略ですね。

製法の公開と商品の価値・信頼

しかもこの会社の主力商品である「ゴキブリキャップ」は、特許はとってあるものの製法は完全公開されています。通常メーカーであれば製法は隠すもの。しかし、これをあえて公開することで、逆に最高の宣伝となっているようです。

材料は普通に手に入る、製法も詳しく公開されている。ただし、作るのは結構手間がかかるー。自分で作ることはできても、次は作らずに買おう、ということになる。

ちょうど、おはぎやぼたもちの作り方を知っていても、ほとんどの人がスーパーで買うのと同じです。

ゴキブリキャップの値段は発売当初から30個で2,500円、一度も値上げ・値下げはしていないとか。他社製品は300円から600円。それでもゴキブリキャップが選ばれるのは、自分で試した製品ほど強いということでしょう。

それと同時に、売り手が2,500円の価値があると確信しているからこそ、その値段を押し通すことができるのですね。

タニサケ

この記事を書いた人

勝野弘志Twitter:@victoryfield
顧問先の契約継続率が100%、事業計画作成支援で関与先の約8割が黒字決算という名古屋の会計事務所所長。

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