リレーションシップバンキング

さて、このような「貸し渋り」・「貸し剥がし」への批判が高まる中で、平成15年あたりから中小企業金融の見直しがなされてきました。

具体的には、「金融検査マニュアル別冊[中小企業融資編]」の発表により、経営者の資質・特殊な技術力・個人的資産背景などのような、決算書に現れにくい中小企業の強みについて、企業格付上加味されるように是正される方向にあります。

また、「リレーションシップバンキングの機能強化に向けて」の発表により、中小企業の資金調達と経営活性化のための基本的方針が示され、特に地域銀行はこの基本方針に向けた具体的な活動指針を策定しつつあります。

リレーションシップバンキング(以下リレバンという)とは、

「活力ある地域社会の実現を目指し、競争的環境の下で地域の再生・活性化、地域における起業支援など中小企業金融の円滑化及び中小・地域金融機関の経営力強化を促す観点から、関係省庁との連携及び財務局の機能の活用を図りつつ、地域密着型金融の一層の推進を図る。」

ことを総称して言います。

この地域密着型金融の本質は、

「各金融機関が、長期的な取引関係により得られた情報を活用し、対面交渉を含む質の高いコミュニケーションを通じて融資先企業の経営状況等を的確に把握し、これにより中小企業等への金融仲介機能を強化するとともに、金融機関自身の収益向上を図る」

ことをいいます。

つまり、中小零細企業を主要な顧客とする地域金融機関については、都市銀行や大企業のような企業格付・融資方針・自己査定等を形式的に取り入れることなく、

従来のようなきめの細かい対応と質の高い意思疎通をベースとした金融をめざすことにより、地域の活性化に貢献することが求められているのです。

このようなリレバンのための具体的取り組みとして、次のような事項を検討することとされています。

(1) 創業・新事業支援機能等の強化
(2) 取引先企業に対する経営相談・支援機能の強化
(3) 事業再生に向けた積極的取り組み
(4) 担保・保証に過度に依存しない融資の推進等
(5) 顧客への説明体制の整備、相談苦情処理機能の強化
(6) 人材の育成

得意先係の業務

銀行は融資をしなければ売上である貸出金利息を獲得できません。だから、新規顧客の開拓ももちろん必要であるが、既存の顧客の新規投資案件にも十分に注意しています。

企業についていえば、取引銀行が1行のみというケースはかなり特殊なケースである戸思われます。通常は2、3行との取引があるのが普通の状態でしょうか。

そのようななかで、サブバンクはなんとか既存顧客の新規投資案件を獲得しようとするし、メインバンクはそれを死守しようとするでしょう。

得意先係は通常、売上金の回収などで顧客を回り、その回収活動とあわせて状況を聞き、そのなかで融資案件の可能性の有無を探ります。

決して、単なる「集金人」ではありません。

しかし、得意先係の怠慢で、せっかくの新規融資案件をメインバンクが逃してしまうことだってあるでしょう。

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この記事を書いた人

勝野 弘志公認会計士・税理士
顧問先の契約継続率が100%、事業計画作成支援で関与先の約8割が黒字決算という名古屋の会計事務所所長。

志を持つ起業家を支援する『起業家支援会計士』として、全8回の事業計画書作成講座、【士魂商才プログラム(起業編)】を中心に、売上アップのための会計セミナーや無料ブログシステム「Wordpress」の活用、iMovieによる動画編集、コンテンツ作成などの各種勉強会を開催、好評を得ている。

http://www.hkcpa.jp/profile