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銀行マンの役割(その1)

定義

銀行マンと一言で言っても、いろんな係があります。融資と関連があるのは以下の2つ。
得意先係・・・いわゆる「外回り」。顧客に直接訪問し、売上金の回収を始めとする金融業務の最前線に立つ営業マン

融資係・・・・得意先係が収集してきた個々の融資案件のチェック・検討をし、融資実行の判断を下す担当。

顧客と直接顔を合わせる機会の多い得意先係は、銀行側から見れば新規融資案件の情報収集役であり、既存顧客の経営状況に関する情報収集役でもあります。一方で顧客側から見れば、得意先係は金融取引の窓口であり、そのままその銀行の顔(代表)となります。どちらも非常に重要な立場にあります。

信用金庫あたりだと、得意先係は融資係の役割を同時に担っている場合が多く、融資に当たって重要な役割を果たすのです。

銀行の経済上の役割

預金者から余剰資金を預金金利で調達し、それを融資先に貸出金利で供給する。資金余剰者と資金不足者の仲介をする、それが銀行の経済上の役割です。
資金を循環させる役割を持っているため、血液にたとえられることも多いのです。

十数年前、銀行は「貸し剥がし」の批判にさらされました。銀行が不良債権処理に奔走していた時代に、自己資本比率の悪化と不良債権の情報開示に対応すべく、優良な企業に融資を受けてもらい、そうでない企業からは回収に当たる、その状況をさして「貸し剥がし」といわれたのです。

なぜそんなことをしたかというと、優良企業への融資金額の割合が増えれば不良債権比率は下がり、自己資本比率もよくなるからです。

そのため、一時的に中小企業は資金調達困難になったときがありました。政府保証による5000万円の中小企業融資保証制度が制定されたのもこの時期で、これによって多くの中小企業は救われたと思われます。

ともあれ、本当に資金の必要な企業等には資金が回らず、資金に余裕のある企業に余分な資金が回るという現象が、現実にありました。資金不足のところは資金が枯渇し、資金余剰のところは資金がだぶついてしまうという状況です。

いまだにある期末短期融資

余談になりますが、銀行によってはいまだに期末近くになると短期融資を依頼してくるところもあるようです。融資先は無碍に断ることもできず、しぶしぶ要らない資金を借りるケースも多い、本末転倒です。
本当に資金を必要としている中小企業への3百万円の融資は、当面の資金を必要としていない大企業への3億円の期末短期融資よりも、銀行にとっては経済上重要な役割を果たしているに違いありません。

リレーションシップバンキング

さて、このような「貸し渋り」・「貸し剥がし」への批判が高まる中で、平成15年あたりから中小企業金融の見直しがなされてきました。

具体的には、「金融検査マニュアル別冊[中小企業融資編]」の発表により、経営者の資質・特殊な技術力・個人的資産背景などのような、決算書に現れにくい中小企業の強みについて、企業格付上加味されるように是正される方向にあります。

また、「リレーションシップバンキングの機能強化に向けて」の発表により、中小企業の資金調達と経営活性化のための基本的方針が示され、特に地域銀行はこの基本方針に向けた具体的な活動指針を策定しつつあります。

リレーションシップバンキング(以下リレバンという)とは、

「活力ある地域社会の実現を目指し、競争的環境の下で地域の再生・活性化、地域における起業支援など中小企業金融の円滑化及び中小・地域金融機関の経営力強化を促す観点から、関係省庁との連携及び財務局の機能の活用を図りつつ、地域密着型金融の一層の推進を図る。」

ことを総称して言います。

この地域密着型金融の本質は、

「各金融機関が、長期的な取引関係により得られた情報を活用し、対面交渉を含む質の高いコミュニケーションを通じて融資先企業の経営状況等を的確に把握し、これにより中小企業等への金融仲介機能を強化するとともに、金融機関自身の収益向上を図る」

ことをいいます。

つまり、中小零細企業を主要な顧客とする地域金融機関については、都市銀行や大企業のような企業格付・融資方針・自己査定等を形式的に取り入れることなく、従来のようなきめの細かい対応と質の高い意思疎通をベースとした金融をめざすことにより、地域の活性化に貢献することが求められているのです。

このようなリレバンのための具体的取り組みとして、次のような事項を検討することとされています。

(1) 創業・新事業支援機能等の強化
(2) 取引先企業に対する経営相談・支援機能の強化
(3) 事業再生に向けた積極的取り組み
(4) 担保・保証に過度に依存しない融資の推進等
(5) 顧客への説明体制の整備、相談苦情処理機能の強化
(6) 人材の育成

得意先係の業務

銀行は融資をしなければ売上である貸出金利息を獲得できません。だから、新規顧客の開拓ももちろん必要であるが、既存の顧客の新規投資案件にも十分に注意しています。

企業についていえば、取引銀行が1行のみというケースはかなり特殊なケースである戸思われます。通常は2、3行との取引があるのが普通の状態でしょうか。そのようななかで、サブバンクはなんとか既存顧客の新規投資案件を獲得しようとするし、メインバンクはそれを死守しようとするでしょう。

得意先係は通常、売上金の回収などで顧客を回り、その回収活動とあわせて状況を聞き、そのなかで融資案件の可能性の有無を探ります。決して、単なる「集金人」ではありません。しかし、得意先係の怠慢で、せっかくの新規融資案件をメインバンクが逃してしまうことだってあるでしょう。

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